風の足跡 ~風の旅人旅行記集~

八丈島、三宅島卒業旅行記
#15 猛烈な春の嵐

<1998年3月>

友人と卒業旅行に向かったのは離島の八丈島と三宅島。3泊5日の行程で旅をしました。(全21話)

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15、猛烈な春の嵐

朝起きると、昨日より風が強くなっていた。部屋にいても外からゴォーという風の音が頻繁に聞こえ、建物が揺れる感じがする。まるで台風が上陸したかのようだ。

窓を開けて空を見上げると、雲が多いものの青空も所々で見える。雨の方は心配なさそうな感じだが・・・、変な天気だな。

テレビのスイッチを入れて天気予報を見ると、猛烈な春一番が吹いているとか何とか。関東全般に強風注意報も出ている。こんなに風が強いけど船は大丈夫だろうか。今日はフェリーに乗って三宅島へ行く日。それが一番の心配だ。

八丈島の地図 地理院の地図
伊豆諸島の地図

国土地理院地図を使用

朝食を食べに広間へ行った時に、「今日は船が揺れそうですね・・・」と宿のおばさんと話すと、

「そうだね。これだけ風が強いとかなり揺れるだろうね。覚悟しておいた方がいいよ。」と同情するような笑顔で言い、加えて「船もかなり遅れて到着するかもしれないよ。あっそうそう。八丈島では風向きによって東と西の港を使い分けるから気をつけてね」と教えてくれた。

おぉ~危ない、危ない。反対の港に行ったりなんかすると、待ちぼうけで船に乗れないといった漫画のような展開になってしまう。

部屋に戻り、荷物の準備をしながら待っていると、島の放送が外から流れてきた。船は昨日と同じ底土港に着き、遅れて到着するとのこと。飛行機は午前便、午後便ともに飛ばないというアナウンスだった。

遅れるとわかったなら早く行ってもしょうがない。でも何分遅れるかわからないから、まあ定刻ピッタリぐらいに着くようにして、のんびりと船を待てばいいかな。

一応宿のおばさんにも船のことを確認し、当初の予定よりもちょっと遅めに「お世話になりました」と宿をチェックアウトした。

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外に出てみると、生暖かい南風が強烈に吹いていた。空を眺めると、雲ってこんなに速く動けるもんなんだ・・・と驚くぐらいのスピードで雲が流れていく。これはきれいかも・・・。まるで空という壮大なキャンパスで繰り広げられる雲の演劇といった感じだ。

とはいえ、あまり空に感動ばかりしていられない。逆風になると前に進まないし、順風になると前につんのめってしまうほど風が強い。よそ見していると風に転ばされかねない。

波の高い海面 八丈島、三宅島卒業旅行記の写真
波の高い海面

風が強く、波が高い状態でした。

海岸付近に出てみると、想像以上に海が荒れていた。白い波が沢山見え、岩にたたきつけた波しぶきが豪快に上がっている。

こんなに風が強い時に船に乗ることになるなんてシャレになってないぞ。ひどく酔いそうだ。酔うだけならまだいいが、まさか転覆なんてしないよな・・・。ちょっと嫌なことが頭をよぎった。

しかし、なんなんだこの風は。天気予報では春一番だとか言っていたけど、春一番にしては強く吹きすぎではないか。揺れる船を想像すると憂鬱になってくる。

港付近の岸壁 八丈島、三宅島卒業旅行記の写真
港付近の岸壁

港に着くと、待合室に人は大勢いるものの、桟橋にも、海上にも船は見当たらなかった。まだ到着していないようだ。

確認のため係りの人に聞いてみると、「申し訳ありませんが、強風の為にかなり遅れています。」とのこと。宿のおばさんの予想通りだな。さすが地元の人の言うことは当てになる。

黄八丈の人形 八丈島、三宅島卒業旅行記の写真
黄八丈の人形

しばらく到着しそうにもないな。まだ何もお土産を買っていないし、のんびりと港付近にある土産屋を物色するか。

時間をつぶしがてらお土産屋に入ると、せっかく八丈島に来た事だし、次来る事はたぶんないだろう・・・なんて思ってしまい、土産物をどっさりと購入してしまった。

荷物が増えてしまったけど、今回はいつもと違ってバイクで旅しているわけではないからいいか・・・。

荒れる海でのダイビング 八丈島、三宅島卒業旅行記の写真
荒れる海でのダイビング

30分ほどして港に戻るものの、船が到着する気配を感じられない。水平線を目を凝らしてみても船の姿はなく、まだしばらく待たされそうだ。

桟橋の向こうを見ると、この悪天候の中、ダイビングに向かう人々がいた。こんな悪条件の中でダイビングをしても大丈夫なのだろうか。それとも水の中は静かなのだろうか。

ダイビングをした事がないのでよくわからないけど、普段よりも危険そうなのは確かな気がする。きっと時間がないから無理してでも潜りたいのだろうな・・・。我々も時間がたっぷりあれば一日船に乗るのを延ばしたいし・・・。

八丈島、三宅島卒業旅行記98'
#15 猛烈な春の嵐
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