風の足跡 ~風の旅人旅行記集~

八丈島、三宅島卒業旅行記
#6 八丈島での宿探し

<1998年3月>

友人と卒業旅行に向かったのは離島の八丈島と三宅島。3泊5日の行程で旅をしました。(全21話)

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6、八丈島での宿探し

昨夜、芝浦港を出港したフェリーは、早朝に三宅島を経由し、八丈島の底土港にほぼ定刻通りに到着した。

船から降りると、すがすがしい朝日と青空に迎えられた。ちょっと風が強いけど、空は広く晴れ渡り、絶好の観光日和。八丈島が我々を歓迎してくれているかのようだ。

八丈島に到着 八丈島、三宅島卒業旅行記の写真
八丈島に到着

すぐに乗船が行われます。

航海中はそんなに揺れは感じなかったが、やっぱり10時間も船に乗っていると胸のあたりにちょっとした不快感が残るもの。まずは朝食を食べてから・・・といった感じではない。

体のバランス感覚も少しおかしくなっているようで、歩くと地に足が付いていない感触。なんだか雲の上を歩いているようだ・・・。少しおぼつかない足取りで桟橋を歩き、フェリーターミナルの出口に向かった。

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八丈島に着いたら、今晩の宿を決め、その後スクーターを借り、島内の見所を巡りながら島を一周する。そう船の中で話し合って決めた。

ということで、まずは宿探しだ。港から少し歩いたところに比較的固まって宿があるようなので、港からてくてくと歩いていくことにした。

港からの道 八丈島、三宅島卒業旅行記の写真
港からの道

真っすぐな道が続いていました。

港から宿が多くある地域へは真っ直ぐな道が延びていた。 広々として開放感がある道で、南国らしく街路樹には椰子が植えられている。

少し強めに吹く風は、東京に比べて生暖かく、少し南国っぽい匂いもする。歩きながら南の島、八丈島に来たんだなという実感が伴ってきた。

高倉(六脚倉) 八丈島、三宅島卒業旅行記の写真
高倉(六脚倉)

港から歩き、宿が集まっている近くまで来ると、道の脇に変わった建物を発見。パッと見は高床式倉庫なんだけど、なんかちょっと雰囲気が違う。茅葺の屋根が大きく、しかも深めに帽子を被るようにのっかているからか。

説明を読むと、江戸末期の倉庫で、八丈島独特の建物になるようだ。足が六本あることから六脚倉とも呼ばれているとか。ちょっと南国っぽく感じる建物だ。せっかくだから記念撮影しておこう。

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六脚倉から少し歩いたところに、ガイドブックでお勧めとあり、値段を含めてよさそうな感じのペンションがあった。

さっそく呼び鈴を押すと、すぐ宿の人が出てきたのだが、「今やっていないよ」と少し迷惑そうな顔で断られてしまった。

そ、そうなのか・・・。残念。では近くにある別のペンションへ行くか。

ちょっとつまづいてしまった気分だったが、まあこういうことはバックパッカーをしているとよくあることだ。しかし近くにある別のペンションでも同じように断られてしまった。

よっぽど我々の人相が悪いのだろうか・・・。だから遠回しに宿をやっていないなんて言って断っているのか。どうみても満室になるほど多くの人が訪れているようには思えないし。ちょっと自信がなくなってきた。

「このままだと今夜は野宿になってしまうかも・・・・。最悪、さっきの高床式倉庫で寝かせてもらうか・・・。」と、ぼそっと呟くと、「それは名案だ」と友人が楽しそうに答えた。

友人はバックパックを背負って一人で海外を旅する私の話を聞くのが好きだ。そしてそういったことに少し憧れて今回の旅にきている。だから困ったことに、なにか冒険的なことが起きることを期待している節がある。

まあそれはそれでいい思い出になるかもしれないけど、寝袋などの野宿用の荷物は持ってきていないぞ。第一トイレはどうするんだ。

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めげずに三軒目を訪れた。今度は今までとパターンを変え、旅慣れた私ではなく、友人にベルを押させた。彼の方がいかにも観光客っぽいので好印象となるかもしれない。

すぐに中からおばさんが出てきた。そして友人が宿泊したい旨を伝えたが、結果は同じで、またも断られてしまった。また駄目か・・・、いったいこの島はどうなってるんだ。本当に高床式倉庫行きになるかも・・・。

ただ、私たちの落胆した様子を見て気の毒に感じたのか、「今はシーズンオフなので開いている宿は少ないんだよ。ちょっと先に大手代理店が使う大きめの民宿があるからそこに行ってごらん。年中やっているから。」と丁寧に場所を教えてくれた。

我々が断られたのは人相とか、雰囲気のせいではなかったのだな。当然と言えば当然だが、ちょっと安心した。

要は滅多に来ない客のために宿の準備をしているよりも、完全に閉めて副業に専念する方がいいようだ。なるほど。八丈島は観光だけで成り立っているわけではないもんな。教えてくれたおばさんにお礼を言ってその宿へ向かった。

宿泊した宿 八丈島、三宅島卒業旅行記の写真
宿泊した宿

教えてもらった宿へ行くと、ようやく八丈島での宿泊許可が下りた。って、本来はそんな大袈裟なことじゃないけど、3軒も断られ続けたのでそういった心境だった。

やれやれ就職活動を思い出してしまう・・・。最初はどうなるかと思ったけど、これで一安心だ。

部屋に荷物を置き、部屋においてあるお茶を飲みながら、「宿決めがこんなに大変だとは・・・」「島旅はやっぱり一筋縄ではいかないな・・・」などと盛り上がりつつ、ひとまず一服してくつろいだ。

八丈島、三宅島卒業旅行記98'
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