風の足跡 ~風の旅人旅行記集~

八丈島、三宅島卒業旅行記
#5 八丈島への船旅

<1998年3月>

友人と卒業旅行に向かったのは離島の八丈島と三宅島。3泊5日の行程で旅をしました。(全21話)

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5、八丈島への船旅

八丈島への船が出航するのは、JR浜松町駅から少し歩いたところにある竹芝桟橋。ここからは伊豆大島や小笠原などへの船も出ている。

出発1時間前にフェリーターミナルの入り口で集合ということで、時間に間に合わせて訪れると、友人の方が先に来ていた。いつもの待ち合わせと同じ光景だ。

まずは乗船券を購入しておこう。ターミナルビルに入ってみると、ターミナル内は閑散としていて、まるで深夜の駅といった雰囲気だった。

フェリーを運航している東海汽船の窓口を訪れてみると、乗船券を求める人の列はなく、窓口の奥で係の人が暇そうにしていた。

多くの人が船の出発を待っている賑わいとか、これからの旅に興奮している人々の笑顔で溢れている。そういった旅らしい情景が全くない。思っていた様子とちょっと違うぞ・・・と思いながら八丈島までの乗船券をそれぞれ購入した。

フェリーの分乗証
フェリーの分乗証

購入したのは一番安い二等船室。いわゆる自由席となるのだが、長距離フェリーの場合は座席ではなく、雑魚寝できるスペースがあるだけ。

八丈島までの乗船時間は約10時間。万が一、狭いスペースでずっと体育座りってことになったらしんどい。できることならゆっくりと横になれるような快適な寝床のスペースを確保したい。ということで乗船時間よりも早めに乗船口に行き、列に並んだ。

しばらく待っていると乗船時間になった。乗船の列を振り返ってみると、さっきから列が伸びていない。やっぱり乗る人が少ないな。

でもちゃんと二人分の場所を確保するぞ。と、勇んで船に乗り込んでみたものの、乗る人の全部が2等船室に来るわけではなく、客室内はガラガラだった。ガラガラというか、本当に人がいない状態だった。

おそらく夏のピーク時には10人寝ていると思われるスペースにたった二人だけ。他のスペースも同じ状況だった。気兼ねなく使えるのはうれしいが、本来密度が濃いはずの空間に人がいないと、広々というよりはスカスカ感を強く感じてしまう。旅心まで寂しくなってしまいそうだ。

フェリーの船室で 八丈島、三宅島卒業旅行記の写真
フェリーの船室で

洗面器がちゃんと用意されていました。

それにしてもシーズンオフとはいえ、週末にこまで人がいないとは・・・。よほど八丈島などの離島は人気がないのだろうか。みんな旅したいとか思わないのだろうか。この寂しい船内を見ると色々と考えてしまう。

でも他人と同じ場所を同じように旅しても面白くない。あまり人が行かないところを旅してこそ頭を使うし、雛型がないので純粋に自分らしい旅もできる。猫にも杓子にもならない旅の方がやっぱい魅力的に感じてしまう。

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フェリーは定刻の22時に芝浦港を出港した。無事に出発したな。今回はどんな旅になるだろうか。旅立ちには期待と不安がつきものだが、今回は国内だし、一人旅ではないので不安はあまりなく、期待ばかりだった。

船が出航すると、せっかくなので海の上から東京の夜景を楽しむことにした。とはいえ荷物を置きっぱなしにして何かあると面倒なので、交代で外のテラスに出た。

しばらくすると外に出ていた友人が戻ってきて、もうすぐレインボーブリッジをくぐると教えてくれた。すぐにカメラを持って外に出ると、船がちょうどレインボーブリッジをくぐるところだった。

晴海ふ頭からレインボーブリッジを見るというのがデートスポットとして有名だ。何度か見に行ったことがあるが、真下から見るというのも迫力があっていいかもしれない。

船から見上げたレインボーブリッジ 八丈島、三宅島卒業旅行記の写真
船から見上げたレインボーブリッジ
船から見た東京の町
レインボーブリッジと東京タワー

ちゃんと写っていませんでした。

船はレインボーブリッジをくぐるまでは頻繁に舵をとっているようで、常に揺れている感じがあったが、橋を通過すると船の揺れが落ち着いた。

しばらく外で東京の夜景を楽しんでいたが、いつまでも外にいては寒い。それに友人をほったらかしにしたままだ。船内へ戻った。

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客室に戻ると、旅立ちならではの気分が高揚している状態。ここは旅立ちを祝し、これからの旅の無事を祈ってビールで乾杯だ!と、のんべえ的にはいきたいところ。

しかしながら私には苦い過去があり、以前飛行機に乗ったときにアルコールと乗り物酔いのダブルパンチをくらってしまった。その時に生きた心地がしないほど苦しい思いをし、それからは乗り物では絶対アルコールを飲まない事にしている。

ということで、友人には悪いけど、ここはジュースで乾杯。お菓子をぼりぼりかじりながら、旅立ちを祝い、そして到着してからの計画を練り始めた。実はほとんど無計画の我々だった。

いや、下調べは色々としたけど、行くと決めてからあまり時間がなく、お互い会って話す機会がなかったのだ。

少なくとも着いてからどうするかは着くまでに決めておかないと・・・。「どうする?」「やりたい事や行きたい場所の目星はつけてきた?」などと図書館で借りてきたガイドブックを見ながら話をしていると、だんだん気持ち悪くなってきたりして・・・。

げぷっ。船の揺れを馬鹿にしてはいけない。船の揺れに慣れていない人は普通に座っていても気持ち悪くなるのだから・・・。

八丈島、三宅島卒業旅行記98'
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