リアルタイム旅行記 道標ない旅
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<2009年5月改訂版 Ver.3.1>
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第1部 北風 ・・・ 南進編  (2000年1月20日〜4月30日)
<香港、中国、ベトナム、カンボジア、タイ、マレーシア、シンガポール>
〜〜〜   第1週   〜〜〜
1月20日 (木) 晴
東京→香港
・涙の旅立ち
支出 3100円
  いよいよ今まで経験した事のないほどの長い旅立ちの日となりました。さすがにこれだけ長い旅になると様々な思いを胸に秘めての出発となり、これまでの旅と違って出発もひときわ感慨深いものがありました。まずは朝、出勤していく親父に別れを告げ、昼前には5年乗り続けた単車を手放しに近所のバイク屋へ。愛着のある単車でしたが、1年以上もほったらかしにしておくわけにはいかないので処分することにしました。そしていよいよ昼過ぎに空港へ向かいました。お袋と愛犬、そして我が家としばらくの間お別れになります。しばらく留守にするよ。家を出る時には一生の別れでもあるまいが目頭がちょっと熱くなってしまいました。空港まではこのホームページを管理してくれる友人と後輩が車で送ってくれました。空港の喫茶店で友人達と最後の晩餐ならず最後の喫茶をした後、友人達に見送られていざ出国ゲートへ。この時とうとう目から少し涙がこぼれてきました。う〜、なんでこんなに気分が昂ぶっているんだ。それを隠すように振り返らず出国ゲートに向かいました。さらばみんな!さらば日本!きっと胸を張って帰って来るぞ!

  不安だらけの出発となってしまいましたが、いざ香港に降り立ってみるとすっかり腰が据わっていました。というより、不安なんぞどこへやら。これからの旅に心が異様に高揚している状態でした。やるぞ。やってやるぞ。なんでこうなってしまったのわかりませんが、こういった気分でした。入国審査などを無事に終えて、空港のロビーにでました。昔香港に来たときは町中にある小さな空港でしたが、今回降り立った空港は香港返還と同時に新しくなった空港です。さすがに新しい。というよりもなんとも巨大だ。あれっ、こっちかな。あっちかなとちょっと迷いつつバスターミナルを見つけました。そして恐らく繁華街へ行く最も安い手段であるバスのチケットを購入して、安宿の集まった重慶マンションを目指しました。

重慶マンションの入り口
  しばらくバスに揺られると車窓が賑やかになってきました。どうやら繁華街に到着したようだ。若干土地勘があるのはありがたいもので、問題なく重慶マンションの前のバス停で降りました。昔、初めてここを訪れたときはタクシーを降りるなり、客引きにドバッと押し寄せてきて囲まれたんだっけ。懐かしい。そういえば、あの時は今日空港まで送ってくれた友人と一緒だったな。旅の素人だった友人は、客引きに囲まれて目を白黒させていたっけな。本当に懐かしい。そんなことを思い出しながら、今回はバス停からさっと入り口に向かいました。立ち止まったり、宿はどこにしようかなどと迷っていると、客引きが群がってきそうだ。そして昔、香港を訪れた時に泊った宿を再訪問してみました。ドアの呼び鈴を鳴らすと、宿のおばさんが出てきて、「あっ、君は昔ここに泊まっただろう」とすぐに思い出してくれました。覚えてくれているというのはうれしいものです。

夜の香港の町並み
  チェックインして部屋に入るものの、なんか気分が高揚して落ち着いていられませんでした。とりあえず腹が減ってはなんとやらかな。気分を落ち着かせるためにも夜食を食べに夜の町に繰り出すと、まぶしいばかりのネオンが頭上に輝いていました。いつでも賑やかだな。香港は。まるでネオンのお祭り騒ぎ。でも今の心境からすると、私の旅立ちを祝福してくれているかのように見えてしまいます。うんうんそうだろ、そうだろ。それにしても懐かしいな。香港に来るのは3年ぶりになるんだな。このネオンの下を歩いていると香港に来たんだなとしみじみと感じてしまいます。さて何を食べよう。ぶらぶらするもののこの時間に開いている店はチェーン店ばかり。チェーン店ではいまいち雰囲気がでないな。こういう気分のときはちょっと粋な店がいいかな。結局裏路地にあったラーメン屋へ入りました。味のほうは不味くはなかったのですが、美味しくもないといったもの。そういう意味では外れだったのですが、でも香港に来て最初の食事だし、めでたい旅立ちの日だしと、満足して宿に戻りました。

  部屋に落ち着くものの、まだやる気十分な興奮状態でした。う〜ん、全然眠くない。そうだ。今まで面倒くさくてサインをしていなかった100枚以上のトラベラーズチェック(T/C)の存在を思いだし、今更ながらせっせとサインをし始めました。さすがにもう日本ではないので、気を引き締めていかないとな。今後は盗難の心配などもしなければならないのか。でもまあ、何にしても大事な初日としては順調な出だしだな。よしよし。そのうち高ぶった精神も落ち着き、何時しか眠りについていました。
1月21日 (金) 曇り
香港→シンセン
・シンセンの友人宅へ
支出 10000円
  高校時代の友人がシンセンに留学しているので、まずはそこに厄介になる事にしていました。そこで落ち着きつつ旅に慣れていくのも悪くないと思ったし、友人とも会いたかったからです。とはいえ、友人宅の住所だけを頼りに中国で友人宅を探す事はちょっと無理そう。友人とメールでやりとりをすると、暇しているから香港まで迎えに行ってやるよという事なので、今朝、重慶マンションの入り口で待ち合わせをしました。しかしこれはちょっと失敗。入り口でバックパックと一緒に背負って立っていると、しばらくの間客引きに「ホテル」などと声をかけられ続けました。よくよく観察すると、重慶マンションの入り口付近は怪しい人ばかり。しかも超多国籍で、中にはちょっとやばそうな人も・・・。一体この人は何を待っているんだろう。薬のバイヤーとか、実は私服警官とか・・・。なんか色々と想像すると面白いのですが、いきなりトラブルに巻き込まれるのも嫌なので、あまり目をあわさないようにしていました。

重慶マンションの一階
  時間になると、友人がやってきて再会しました。何年ぶりになるかな。2年ぶりかな?お互い大して変わっていなく、すぐに判別することができました。香港に明るい友人によると、重慶マンション内の一階にある両替商は香港でもレートがいいということなので、ある程度まとめて両替をしておきました。シンセンでも使えるからその方がいいとの事。更には上の階にある旅行社も顔なじみだし、安いからとベトナムビザの事前申請を済ませました。本当にここ重慶マンションは便利にできているものだ。初めてだと一階などの怪しい雰囲気に拒絶反応を起こしてしまいそうですが、慣れてしまうとそれが逆に一般人からのバリアみたいでいいかも。さて雑務を済ませてしまったけど、どうしよう。せっかくだから香港を色々と歩き回りたい気もするが、バックパックがあるのでちょっと大変。しまった・・・宿に預けてくればよかった。今更気が付いても遅い・・・。という事で、昼食をとった後はすぐに友人宅のあるシンセンに向かう事にしました。

  シンセンは中国領なので入るのにはビザが必要です。せっかく取得するなら友人が中国の半年マルチビザを安く取れる場所があるというので、まずはそれを取得する事にしました。少し高いけど今後の旅のレパートリーが増えて色々と便利だと思ったからです。そう思って九龍駅近くにある旅行社を訪れたのですが、最近ビザシステムが変わってしまったみたいで、残念ながら申請できませんでした。結局、そのまま九龍駅から列車に乗って国境へ行き、そこでシンセンのみのお手軽5日間のビザを取ることにしました。マルチビザがあれば香港とシンセンを自由に行き来できるし、広東へも足を伸ばせるなど旅行の幅が広がったのに・・・残念。ちょっと予定が変わってくるがまあ仕方ありません。

国境の建物
  国境では普通のバックパックを背負っているものの、私の鞄の中は友人へのお土産としてデーターが入ったフロッピーが50枚、自分のフイルムが60本入っていたので、税関を通る時には開けられたら面倒だなとかなり冷や冷やしました。でも係官がおしゃべりに夢中だったようで一安心。そして無事にシンセンに入ってみると、3年前に香港から日帰りで遊びに来た時とあまり変わっていなく懐かしい。相変わらず駅前は車で大混雑していました。

  友人宅はここから離れたシンセン大学の近くにあるとの事なので、バス乗り場まで歩いていきました。そしてバスに乗る事1時間弱。ちょっと賑やかな繁華街っぽい場所で降りました。そしてそこから歩いてちょっとのところにあるでかいマンションに入っていきました。な、なんか外観が凄いんだけど・・・。しかも部屋に入ってみると、これまた広くて驚きました。これって・・・3LDKかい。いくらなんでも学生が一人で住むには贅沢すぎるわい。聞くと、安いし、これ以上値段を下げると、セキュリティー的にも問題があるからだとか。なるほどそういうことか。でもなあ・・・、なんか友人がどこかの御曹司のボンボンに見えてしまうのがちょっと嫌な感じでした。
1月22日 (土) 曇り
シンセン
・シンセンを散歩
支出 800円
  友人が帰宅した音で目が覚めました。ん、起きなければ・・・。起きてみると、あれっ・・・、もう昼過ぎでした。友人は今日も学校があり、しかも今はテスト期間中とか。実は大変な時に来てしまったようです。でもテスト自体はそんなに大したことないから来ても大丈夫と確認済みでした。しかしながらテストを受けなければ大変な事になるらしい。何はともあれ友人はちゃんと朝早く起きて大学へテストを受けに行ったようで安心しました。私はというと・・・疲れというよりは昨夜は久しぶりの再会で朝方まで語り合っていたので、こんな時間の起床となってしまったわけですが、それにしてもよく友人は起きれたもんだ。って、寝なかったのかな。起きれなかったらシャレにならないって言っていたし。それよりも腹が減ったな。昼食を食べに行こうという友人の誘いを受けて、すぐに支度をして近所のラーメン屋へ行きました。メニューを見るとまさに4字熟語のオンパレード。うひゃ〜といった感じなのですが、通訳がいるから安心。友人がこれがうまいんだというお勧めの牛レバーラーメンを頼みました。実際に食べてみると、これがなかなか美味しい。シンセンのラーメン屋はなかなか美味いな。安いし。さすが暮らしている人の案内だと外れがなくていい。

シンセンの町で見かけた正月用品店
シンセンのマック
  昼食を食べた後は、特にすることもなかったのですが、私の希望でシンセンの町の中心を散歩しに行く事にしました。町の中心は土曜日ともあって凄い人でした。人、人、人。渋谷のハチ公前交差点のような光景が続くからたまらない。中国の人口恐るべし。デパートやショッピングセンターに入ってみると、置いてある物はパッと見た感じは日本と変わらない物ばかりでした。中国もあまり日本と変わらないのかな・・・いや、違うぞ。よく見るとコピー商品ばかりではないか。手にとってみると、作りがちゃちだったりと粗悪品も多かったです。そして品物売場は中国人の好きな赤色のものがよく目につきました。派手好きというか、趣味が悪いというか。でもまあこうでもしないと人が多すぎて目立たないのかな。でも赤色といえば食欲増進の色。これが正解か?赤い看板が目印のマクドナルドがシンセンの町に違和感なくあるのを見ると、そんな気もしてきました。

  ところで中国のマックって・・・・どうなんだろう?興味があったので友人と一緒に入ってみました。まず驚くのが異常に派手な作りの店構え。まるでお城というか、ちょっとした砦。アドバルーンが浮かんでいるかと思えば、でかい風船のアーチがあったり、ドナルドの人形が屋根の上に座っていたりと凄い。もちろん店内は多くの中国人で大盛況。広い店内にはおもちゃというか、特に子供用の遊び場が充実していました。ドナルド人形の横で写真を撮っている人も普通にいるといった感じ。メニューの方はオーソドックスな感じで、値段は日本的感覚と同じぐらいなのかな。高くないので大人気といった感じでした。友人が言うには普通の中国人が海外旅行するということはまずないので、手軽に異文化を味わえるマックが大人気なんだとか。それにしてもチキンナゲットに甘酢ソースって・・・不味いぞ。かなり違和感を感じたのですが、友人にすると、こんなにてきぱきと働いている中国人従業員を見るほうが違和感を感じるとボヤいていました。どうやらこっちの日本食レストランでアルバイトしている時に、働かない中国人に悩まされていたらしい・・・。なるほど暮らしている人は視点が違うんもんだな。
1月23日 (日) 曇り
シンセン
・中国の床屋へ
支出 900円
シンセン大学にて
  午前中、友人が大学へ書類を取りに行く用があるというので、一緒についていって大学を散歩してみました。その感想はとにかくでかい。数多くの校舎にスタジアムやゴルフ練習場まであり、将来地下鉄の駅までできるそうだ。まるでちょっとした町のような感じです。とりわけゴルフ学科というか、キャディーさんの科目が人気だとか。何でゴルフなの。中国人も目指せタイガーウッズって事で、ゴルフに目覚めたとか・・・。確かに賞金はでかいよな。と思ったら大間違い。それは日本の社長などがシンセンの工場を視察に来たついでにゴルフをするのですが、その時にキャディーに渡すチップがいいからだとか。友人に言わせると日本の金銭感覚でばら撒いているそうです。おかげで一日の給料よりもチップの方が高くなる事はよくある話だとか。なるほど、憧れの職業の一つになるのも納得できました。ジャパンマネー恐るべし。

  散歩の後、遅い昼食を食べていると、雨が降り出してきました。なんか日本を離れてからずっと曇りがちで天気が悪いと思っていたけど、とうとう雨に降られてしまったか。まあ今日は日曜日だし、ぶらぶらと散歩でもしようかなと思っていたぐらいで、特にすることもない日。予定を変更して家に帰る事にしました。そして途中で買い物をし、友人のマンション近くまで戻ったとき、床屋の看板が目に入りました。暇だし、大分髪も伸びていることだし、海外の床屋にも興味あるしと入ってみる事にしました。何より店前の看板に散髪が5元で、洗髪15元と合わせて20元(240円ぐらい)と格安なのがいい。でも散髪より洗髪の方が高いのがちょっと不思議なところ。友人に切り始めるまでいてもらおうかと思ったのですが、「先に帰ってるよ」と早々に退散してしまいました。いざとなれば筆談で何とかなるだろう。旅に関しては私も上級者なんだし。

  一人で店内に入ると、2人の客が散髪中でした。他に切り手がいないのか、待合椅子を指されちょっと待たされることになりました。それにしてもなんか女の人が異様に多いな。しかもする事がないのか散髪待ちの私の周りに寄って来ました。ん、店員なのか。いや、それなら散髪をしてくれるよな・・・。じゃあ店員の友達が遊びに来ているといったところなのかな。でも私に話しかけてくるところをみると、もしかして私って中国ではモテモテ。実は中国人のほうが人を見る目があるとか?それともメイドインジャパンのブランド力ってか?これもゴルフ場で社長が金をばら撒いているおかげかも。越後屋そちも悪やの〜はははは。調子こいて筆談で話していると、な、な、なんと彼女達が娼婦だと判明。ん、どうなっているんだ。そういえば床屋が売春の置屋を兼ねているような話を何かで読んだ事があるような・・・。どおりで私でももてるはずなんだ。がっかり。そして漢字でなぜ床屋と書くのかも分かった気がしました。無事に散髪を終え、友人宅に戻りその話しをすると、知っていたから一人で行かせてみたんだよと笑っていました。う〜ん、まんまと友人にはめられてしまった感じだ。でも面白い体験ができたからいいか。やっぱり世界中の文化は色々あって面白い。
第1部 北風 ・・・ 南進編   〜 第1週 〜
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