風の結晶 ~風の旅人エッセイ集~

風の軌跡 ~サイト運営記~

***  第1章 原点とサイト名  ***

~~~  風の旅人の原点  ~~~

私がパソコンを購入し、この「風の旅人」のサイトの制作を始めたのは1999年のことです。この年はインターネットが飛躍的に社会に浸透した時期でもあります。ちょうどその頃、友人がWEBデザイナーになり、色々と教えてあげるからお前もパソコンを始めたらと勧めてくれました。

パソコンは現代人にとって必需品になりつつあるようなご時勢。ワードやエクセルは使えて当たり前。今は特に必要と感じなくても今後のことや就職などを考えた場合、使えるようにしておくに越したことはないな・・・。とまあ現実的なことも考えつつ、パソコン自体にも興味があったし、これはちょうどいい機会かもしれないと前向きに検討を始めました。

前向きに思いつつも・・・、その当時はまだパソコンは結構高価な存在でした。おまけにインターネットの接続に関しては値段の高さもさることながら電話回線主流からISDNに変わりつつある時代だったので、今と比べるとかなりややこしい状態でした。だからパソコンやインターネットに興味が湧いても気軽に始めるという訳にはいかなかったのです。

しかしながら、その不安は友人がかなり解消してくれました。パソコンは既製品ではなく、自作で組み立てる事で思いの他安く上げる事ができ、インターネットの接続も一切をやってくれたからです。おかげでそんなに苦労せずにインターネットの世界に入ることができました。

とはいうものの、正直、素人にとっては寄せ集めたような部品で構成されているパソコンは不安なもの。よくこんなんで動いているなビックリしてしまいます。第一、メーカーの既製品ではないので何かトラブったときはどうしよう・・・。説明書もないし・・・。使いながら色々と不安を感じつつも、ようやく世間で流行になりつつあるインターネットの環境を手に入れることができました。

パソコンを買ってやってみたい事は、インターネットに接続して今話題になっている海外のHな無修正サイトをネットサーフィ~~~ンしまくる!!!、・・・・じゃなくて、いや、ん、まぁ、これも凄くやりたかったんだけど・・・。それよりも今まで旅行中に撮った写真などをパソコンに取り入れて、電子アルバム的なものを作りたいなと思っていました。

旅行から帰ってくる度にアルバムを見せてくれと友人がやってくるので、段々とアルバムの作り方にも趣向を凝らし始めていました。その延長でパソコンを使って写真やチケット類を整理し、見ても楽しいものを作れたらなと思っていました。

そういった話を友人にすると、それならば作る仕組みは一緒だからホームページにしてしまえばと提案してきました。そんな大それた事は全く考えていなかったのですが、よくよく考えると友人に見せるためのアルバムも不特定多数に見せるアルバムもその趣旨は同じ延長線上にあります。

じゃホームページにしてみるか。なんかインターネットの世界も色々と楽しそうだし、見る側だけではなく、見せる側になってみるのも悪くないな。時代の最先端をいっている様でかっこいいし。制作についても本職の友人が教えてくれるとの事だし。よし頑張ろう。友人の提案がなくても最終的にはそうなっていたような気もしますが、ここに風の旅人の原点があります。

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~~~  「風の旅人」の名前の由来  ~~~

ホームページを製作することになり、段々と内容の構成を具体的にしていきました。素人なら誰しもそうなのでしょうが、あれも載せたいこれも載せたい・・・といった感じに。そして一番大事なのが、サイトの名前です。何にしよう。これには苦労しました。一体どんな名前が自分のサイトにふさわしいのだろうか。ありきたりの名前では人の目を引きつけにくいだろうし、名前通りに平凡なサイトになってしまうかも。

逆にあまりにもキザだったり、大袈裟な名前では内容負けしてしまうような・・・。軽い名前やふざけた名前では薄い内容が更に薄くなってしまいそうだな・・・。やはりホームページを象徴するものだから、内容のイメージを壊さない名前が一番いいに違いありません。

しかしながら、あれこれと考えようにもホームページを作るのが初めてなので、出来上がりの全体像のイメージが全くわいてこないのです。あれも載せたい、これも載せたいといった旅のサイトだけど、とりあえずは旅行写真が主体のサイトになるのだろうか。思い入れのあるトルコについても詳しく載せたいしな。と、色々と考えるものの、作ったことのないものに対してはっきりとしたビジョンが描けるはずもありません。

とりあえず「トルコになんちゃら」とか、「~~~の旅日記」といった個別のことよりも旅全体についてを考えてみよう。その方が後々潰しがきくし、色々と内容を広げやすいし。そういった訳で自分の旅の理想をイメージしつつ、我が子の名前を付けるような気持ちで真剣に考えました。

まず自分にとっての理想とする旅、そして旅人像を考えてみました。そして色々と文章にして書いてみると、私にとって理想とする旅人像は「風」でした。旅に出るとよく分かるのですが、旅には常に出会いと別れが付きまといます。旅の主人公は人(自分)である以上、一番の主題は人なのです。人に傷つき、人に慰められ、親切さや別れに涙する。

旅は人生の縮図と言われるのも納得で、短い期間に多くの出会いと別れがあります。その気持ちの整理をいかにしていくかが旅人の試練なのかもしれません。何時もセンチメンタルになってばかりもいられないので、風のようにさらりと通り過ぎたり、歯を食いしばって立ち去ることも必要です。それは限られた時間で行い、そして帰る場所があるのが旅だからです。

そういったわけで、自分の胸には当然なのですが、旅を通して出会った人々の心にも、さらっとした風の匂いや、風紋を残していけるような旅人。そんな「風」のような旅人にあこがれ、また自分の理想とする旅人かなと漠然と思い描きました。

こういった経緯で苦心惨憺考えた末に付けたタイトルは「風の旅人」でした。「風の旅人」をネットで検索してみると、同じような名前のサイトが多くヒットしましたが、まあしょうがない。この名前にこだわりを持ってしまった以上他の名前にしたくはありません。といったような経緯で「風の旅人」という名前をつけることにしました。以下は名前を決めるときに何となく書いてみた風の旅人の詩です。

「風の旅人」
旅人は風のようである。
春の暖かい風が花の香りを運んでくるように、
夏の南風が身体に熱気を覚えさせるように、
秋の冷たい風が木の葉を落とし、心を感傷的な気分にするように、
冬の凍てつく風が心を突き刺すように、
旅人も幾つかの感情を我々の心に残して去っていく。
まるで旅人の足跡は大地に柔らかい跡として残る風紋のようだ。

風は決してその場に留まらない。
旅人も然り。
なぜなら大地に根を下した時、旅人は旅人ではなくなるからだ。
だから、旅人は歩き続ける。
袋小路に入って同じ所を渦巻いている者や、
春の陽気と共に無風になってしまう者もいるだろう。
大きな山脈にぶち当たり、砕け散ってしまう者もいるだろう。
風であることに疲れたり、後から来た風に追い抜かれてしまい
嫌気をさして自ら風である事を辞める者もいるだろう。
でも多くの旅人は出会いと別れを繰り返しながら、
出会った人の心の中に微かな風紋と
自分の心の中に思い出を焼き付けながら歩き続ける。

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~~~  風の旅人の軌跡1 (制作初期)  ~~~

電子アルバムを作ろうと思い付いたことから始まったホームページ制作ですが、初心者なのでまず基本的なパソコンの操作から学ばなくてはいけませんでした。ブラインドタッチなんて夢のまた夢。コントロールを押しながらCを押すとコピーで、ペーストして貼り付けるんだったな。専門用語満載なので苦労します。

まあ何にしても習うよりも慣れろだ。少しずつ制作を始めていきましたが、当然、サクサクといいページを作れるわけがありません。この場合はどうするんだったけな・・・・、あ~~~わからん。デザインもめちゃくちゃだ。やり直し。どうやったらいいものが作れるんだ。具体的になっていくうちに色々と考えなければなりませんでした。そうだ他の人のサイトを真似てみよう。と言うことで色んな旅のサイトを見学しました。

制作を始めた1999年はISDNが普及し始めた年で、インターネットが世間一般に広まりつつある頃でした。その当時のインターネット世界にも当然のことながら旅行のサイトは多くありました。しかしどのサイトもまだインターネットが普及したばかりという事で、そのあり方を模索している感じでした。

とりわけちゃんとしたサイトなどは内容よりも装飾や技術に凝らしている事が多かったように思えます。インターネットの製作現場における技術も日進月歩で、内容よりも製作そのものを楽しんでいる風潮があったのかもしれません。そのため、実際にどこかの国へ行こうと調べても、簡単な旅行記ばかりのサイトとか、写真を貼り付けただけのサイトとかが多く、なかなか内容とサイトの見やすさを伴ったサイトが少なく、いい情報を集めるのに苦労する状態でした。

そういったサイトを閲覧しながら自分のサイトのイメージをどんどんと膨らませていきました。せっかく作るのだから多くの人に見てもらいたいと思うのは当然の流れです。そのためには単に素人が撮った写真を貼り付けただけの旅のアルバムでは第三者が見て面白いと感じるだろうか・・・。これって、実際に私自身が他のサイトを見て不満に感じている事がそのまま当てはまってしまいます。

ここは内容重視ということで、少し手間がかかるけど旅行情報を詳しく載せてガイドブック調に製作してみてはどうだろうか。自分が実際に行った情報とガイドブックなどの情報を合わせた風の旅人オリジナルインターネットガイドブックといった感じだったら第三者が見ても少しは面白かったり、役に立ったりするのではないか。これが最初に思いついた制作方針でした。というより・・・、それ以上の発想は思いつきませんでした。

ということで、”これから行こうとしている国を調べてやってきた方には「すぐにでも行ってみたくなる」といった印象を。行ったことのある国を調べていて訪れた人には「懐かしい」とか、「また行きたい」といった印象を。話題に上った国を調べていて来てしまった人、旅行が好きで訪れた人、たまたま偶然にやってきた人などには、「羨ましいな」「私も旅に出てみたい」などと思ってもらえるような魅力的なサイトでありたい”といった事をこのサイトの一番最初の趣旨として掲げ、友人に時々指導してもらいながら制作を開始しました。

慣れないパソコンと日々悪戦苦闘しながら制作を始め、数ヶ月後にはなんとかアイデアが形となり、世間一般に公開するができました。まあいきなり初心者が立派なものを作れるはずもなく、後から振り返ってみれば内容は支離滅裂で誤字脱字だらけ、デザインもひどい状態でした。

ただ、当時はホームページを持っている人は少なく、内容やデザインなどの如何を問わず、ホームページを持っているだけで周囲の人に感嘆される状態でした。少なくとも友人に対しては「旅のホームページを作ってみたぞ!」と連絡するときに鼻が高かったこと。なんか時代の最先端を進んでいるというか、旅の分野では一歩先を行っているような優越感を感じたりすることもありました。

それにその頃はメールアドレスを公開していても迷惑メールが届くこともなければ、些細なことでも見た人から励ましや感想などのメールがそれなりに届くといった制作者としては幸せな環境だったように思えます。そういった恵まれた環境にあったし、作り始めの物珍しさもあり、色々な意味であれこれといじりながら制作をするのが楽しい時期でした。まあ今から振り返ってみれば、ゼロから始めたへたくそな状態だったので、いじればいじるほどうまくいってしまうといったストレスフリーな状態だったことが一番大きかったのかもしれません。

制作が軌道に乗ると、旅先で出会った旅人、門谷氏や渡辺氏などとコラボレーションでページを作ってみたり、友人の落合氏と一緒に制作をしてみたりと徐々に周囲を巻き込んで制作の方も大がかりになってきました。検索エンジンにも登録し、色々なサイトからもリンクを張ってもらい、訪問者も日々増加していきました。

そうなってくると次の問題というか、悩みがもたげてきました。多くの人が見てくれるのに適当に作っていていいのだろうか。内容にも目を向けて無責任な事書かないようにしなければならないのでは。今まで何も考えず、ただ自分の思うままにページを作っていましたが、ちょっと制作に余裕がでてくると、内容、著作権や肖像権、道徳的観念などといった事が頭をよぎるようになりましたし、実際そういったメールも届くようになりました。

そうなってくると制作も若干窮屈になるもので、今まで以上に調べものや見直しに時間がかかるようになってしまい、少々制作に苦痛を伴うようになってきました。これが当たり前といえば当たり前なのですが、それまでが自由というか、適当に作りすぎていたのです。世間で言うならようやく仮免を取得して路上教習が始まった状態といったところでしょうか。ただ私にはどうしてもやりたいと思う目標があり、そういった外部からのことで足を止めているわけには行かなかったのです。窮屈に感じつつもただ制作に没頭し、下手な文章やデザインでもいいからと貪欲にページを作り続けました。

第2章 リアルタイム旅行記への挑戦へ続く

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