風の結晶 ~風の旅人エッセイ集~

~ ぶちぶち歯医者日記 ~

***  第14章 後書き(歯医者についての考察)  ***

差し歯のページにも書きましたが、スキーに行った時に歯が折れてしまうという事故にあってしまい、計画していた長期の海外旅行の出発を延期せざるをえませんでした。ただでは転ばない性格というか、切り替えが早いというか、まあこれもいい機会だとパソコンを習い、旅をテーマにしたホームページを作り始めました。それはリアルタイム旅行記を制作しながら旅をしたら面白いではないかと思ったからで、その時に練習がてらリアルタイムで進んでいく歯の治療についてぶちぶちと書いていたのが、この歯医者日記の原型です。

こういった歯医者日記を書いてみようかなと思ったきっかけは、さくらももこさんのエッセイ「たいのおかしら」に出てくる歯医者体験を読んだからです。なんかありふれた歯医者体験を綴っているのに読んでいて面白く、こういったありふれた出来事でも書く人の才能によって読む人を惹きつけるものなんだなと驚きました。そして、これぐらいなら私も・・・って、ものすごく失礼な言い方ですが、こういった砕けた日記調の文章というものにも挑戦してみたくなり、歯医者日記を綴ることにしたのです。

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最初の頃は題名も普通に「歯医者日記」とし、内容に関してもいたって簡単に書いていました。というより文章を書くのが下手なだけで奥行きのない単調な話でした・・・。話の方も予定では三章か四章で無事に?終わるはずだったのですが、いつの間にやら・・・、というか、読んでの通りとっても不幸な事にどんどんと話が続いていってしまいました。

まあ話が延びてしまったのは不可抗力としても、サイトのテーマである旅とはあまり関係ない内容なので、最初はそこまで力を入れて制作していなかったのですが、私にとって意外なことでしたが面白かったというメールを多くもらい、それならばと徐々に話に厚みを持たせるように改訂していきました。私同様に歯について悩んでいる人が多いのですね・・・。それとともにやはり読んでくれる人からのメールは励みになりました。ありがとうございました。

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改めて自分で読んでみると、いかに自分が歯に対して不幸であるか感じてきます。ただ一つだけ付け加えておくと、私の歯並びは小さい頃からひどく、矯正したほうがいいと何度も言われるほどでした。それは顎が小さいためで、全ての歯がうまく生え揃わなかったからです。そういった歯並びの悪さから厄介ごとが増えたりしている部分もあります。そう考えたら、歯に関しての不幸は生まれ付いてからの定めなのかもしれません。もちろん歯をちゃんと磨いていなかったことが一番の元凶になっているのでしょうが・・・。

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また、仲のいい友人などに、「動物は歯が駄目になったらもうおしまいなんだよ。」などと、冗談交じりに言われる事があります。確かに言い得ているかもしれません。動物は捕食能力がなくなれば、後は死を待つしかありませんから。それは食事の時に物を噛めないといった不便な経験をしてからというもの、ちゃんとかんで食べられる幸せを嫌というほど実感しました。

でも人間は違います。歯が全部駄目になったとしても、知恵で作り出した入れ歯があります。流動食もあります。だから歯が悪くても悲観することはないのです。とはいえ、歯が悪いと色々と不便するのは確かなので、最悪入れ歯にすればいいやといった感じで粗末に扱うのではなく、なるべく気をつけていた方が後々後悔する事はないかと思います。健康な時ほど自分の体には無頓着なもので、病気になってから始めて気がつくものです。

歯の場合も同じで、歯は基本的に「治療する=歯を削る」と、病気になる事は歯を失うことを意味するので、元の状態に戻ることはあり得ないのです。治療しても元の状態に近くなったというべきでしょうか。もちろんそれは歯医者地獄の第一歩。崩壊はどんどん進んでいきます。歯医者にかかると私のように不幸なことになってしまうので、なるべく歯医者にかからないような生活を心がける方がいいかと思います。例え私の歯医者日記に共感したとしても真似をしないように・・・笑。

>>> 歯医者に関する考察 <<<

最近ではブログや口コミの掲示板などが増え、個人の体験談を参考に歯医者を選んでいる方も多いと思いますが、一つ気をつけてもらいたいのは、歯科医院というのはサービス業でもあるのですが、やはり技術あってのこと。愛想ばかり良くても腕の方が・・・となると、後で後悔することになるかもしれません。

それに他人の評価なんていうのは必ずしも自分に当てはまるとは限りません。その人は数回の治療でうまい具合に治った場合でも、自分の場合は同じように早い治療を受け、後で感染症を引き起こし、大変な事になるかもしれません。あくまでもケースバイケースなのです。更に言うなら医者にも得意不得意といったことがあるだろうし、虫歯にしてもできる場所によっても症状や治療法が違います。

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もっと言うなら人間的な相性といったものもあるかもしれません。ですから自分で歯医者や歯科関係の専門的なサイトできっちりと歯に関する知識を身に付けてから治療を受け、納得が行くまで説明を受けるようにするなどの努力をして、歯科医の善し悪しを判断する事が大事かと思います。

何もしないで対応が悪いなどと文句ばかり言っている人もいますが、そういった人の意見は参考になるでしょうか。レストランの口コミと同じ感覚で書いている人の評価が当てになるでしょうか。そんな意見を聞いて歯医者の善し悪しの判断をするのは・・・、正直怖いです。

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とはいっても初めて歯医者にかかる人などは全くイメージがわかないものです。専門書は難しい事ばかりであまり参考にならないかもしれません。そこで私が一肌脱いで・・・と言いたいところですが、長く歯医者に通ってはいるものの、あいにくと患者としてであって歯医者の善し悪しを判断するような難しい知識は持ち合わせていません。

でもまあ、私のように不幸にならない為というか、私自身こうしておけば良かったなといった事も多々あるので、歯医者にかかるにあたっての基本中の基本的なことを少し書いてみました。但し、長いこと歯医者にかかっていた経験を基にした自分勝手な考察ですのであしからず。

・歯医者にかかる場合の教訓 虫歯が出来たらすぐに行く

小学校の頃の保健の授業か何かでこのような事を言われた覚えがありますが、歯医者に通い続けてからようやく理解(痛感!)できました。そもそも虫歯が小さければ小さいほど治療が簡単で、治療費もかかりません。もっというなら、歯に関しては我慢すればするほどひどくなるだけで、診察回数、治療中の痛さ、金銭的なもの、全てにおいてより悪くなって自分に跳ね返ってきます。

特に神経を取る取らないといった差はもの凄く大きな違いです。面倒だから、まだ我慢できるからと先延ばしして、神経を取らなければならないといった一線を越えてしまうと、治療が大掛かりになり、診察回数も診察期間も恐ろしくかかってしまいます。

当たり前のことですが、虫歯は削らなければ治りません。ほっておいても治らないのだから、早めに治しに行きましょう。歯に関しては我慢強いと私のように不幸になります。ただ針の点のような虫歯に関してはちゃんと削れるぐらい大きくなるまで待ったほうがいい場合があります。

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また、削った部分に被せた詰め物は完全ではありません。年数と共に歯がすり減っていくのと同じで、使っていくうちに隙間が生じ、中が虫歯になってしまいます。これは避けられない事で、一般的に削る部分が少ないほど被せる部分が小さくて済み、削る部分が大きなれば被せた部分が外れやすいともいえます。隙間になりうる面積が大きいからです。

そして歯は生え変わるものではありません。ということは、虫歯になった時点で、歯の崩壊が始まったわけで、今後被せ物を交換する度にどんどん歯は削られて小さくなっていきます。ですから初期段階で1削るのと、3削るのでは、10年後、20年後を考えると、結構大きな違いとなっていることがあります。

なぜなら外れたり、虫歯になると、穴を更に削って被せ物をしなければならないからです。最初はよくても段々と根が深くなっていくと、治療も神経を抜いたり、差し歯にしたりと大掛かりになっていき、お金と手間がかかります。そのうち削る部分がなくなると土台を埋め込んで、更には入れ歯・・・そういう意味でも我慢していきなり歯を小さくするようなことは避けるべきだと思います。

私の場合、いきなり奥歯を差し歯にしてしまったのですが、これがそもそも歯医者に長くかかる原因となっています。その歯は何度も治療で外してしまったために、今では土台を埋め込んで歯を立てている状態です。もし最初の治療の時に軽度の虫歯だったなら・・・。そう考えると、歯に関して一番後悔している部分です。

・歯医者の良し悪し

先に書いたように歯は削れば削るほど小さくなっていきます。当たり前の事ですが、これはものすごく重要な事です。若い人には実感がわかないと思いますが、年をとるにつれて実感するというか、実感した時にはもう既に遅しといった感じだと思います。その時には差し歯や部分入れ歯になっている事でしょう。

このことから歯を削る事は慎重な判断が要求されます。単純に考えて1削ればいいところを2削る歯医者は下手といえます。かと言って、1しか削らなかった事で、後になって2削る事になり、結局3削った事になってしまっては駄目です。腕のいい歯医者はその辺の見極めがしっかりとしているといえます。また詰め物がすぐに取れてしまう歯医者も問題です。詰め物が取れる=また歯を削るとなり、歯の崩壊が早まります。場所や使い方、口の環境にもよりますが最低5年は取れない歯医者を選ぶべきです。

そして歯に関して重要なのが、神経を取るか取らないかです。この選択は後々を考えても大きな違いとなります。この事に関してはさすがに専門家でないし、患部の状態などにもよるのでどっちがいいとかは一概に書けませんが、他人の歯だし、神経を取ってしまった方が治療が楽だからといった感じで神経を取ってしまうような歯医者はよろしくありません。出来れば患者の立場になって考えてくれる歯医者に診察を受けたいものです。

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ただそういった先生が世間で評判がいいかというと、必ずしもそうでないのが現状です。なぜならそういう判断は瞬時に行えない場合が多いからです。しばらく患部の様子を見て、神経の炎症具合などの状況をよく観察し、慎重に判断するのが一番確実ですが、それをしてしまうと治療が長引いてしまいます。

特に治療もしていないのに何度も通わせて・・・と不満に思うことがありますが、それは逆に自分のためを思ってやってくれている場合ものあるのです。そういったことを全て考えて判断するのがいいかと思います。

それに歯というのは目に見える場所の虫歯だけではなく、銀歯の下の虫歯、歯茎の中、神経部分など目に見えない部分で悪化していることがあり、歯医者も判断に困ることもあったり、少々失敗もあるかもしれません。もちろん大きな失敗は論外ですが、長年通っていると色々とあるものです。

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でもそういったときも患者のため、自分のためにそう考えて判断したり、診察をしてくれたならそれはある程度はしょうがないと思いませんか。そう思えるような信頼関係を歯医者と築きたいものです。もちろん技術不足といって片付ける事もできますが、他の歯医者で治療を受けても同じ結果だったかもしれません。

後日他の歯医者に行って親切な対応をされたとか言う人もいますが、前の歯医者でこういう治療を受けたとか説明しているので、いい印象に感じるのは当然かと思います。

そういう意味で素人の表面的な体験や見解では色々と誤解されやすいのです。なんせ歯が痛いときにしかいかないのが歯医者であり、痛くて気が立っているときに訪れるのが歯医者であり、色々と不満を持って診察に訪れるのが歯医者なのですから少々の事でも不満に思ってしまうのです。

だから素人がもっともらしく書いている口コミなどを全面的に信じるのは危険です。まして書いた人の性格すら分からないのですからその信憑性となると微妙なのです。実際に訪れた信頼のおける親族、知人から先生の人柄や診察態度、技術などの話を聞き、自分である程度知識を得て、最終的に自分で歯医者の善し悪しを決めるべきだと思います。

~~~ 第14章 後書き(歯医者についての考察)  完 ~~~

ぶちぶち歯医者日記 ー 完 ー

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