風の足跡 ~風の旅人旅行記集~

~ 国内の旅やバイクツーリング日記 ~

天狗と深海魚ツーリング

*** ページの目次 ***

~~~ §1、プロローグ ~~~

<2008年4月>
アカザエビの刺身の写真
アカザエビの刺身

3月の伊豆にツーリングで食べたアカザエビに味をしめて、伊豆にはもっと旨いものがあるのではと探してみることにしました。
やっぱ伊豆といえば金目鯛。旨いよな。
旬の鯵もいいな。
トコブシやアワビ、サザエの貝類もちょっと高いけどおいしいよな。
天城のワサビや猪や雉も食べられるのか。
さすがは食材の宝庫だな、伊豆半島は。
でも今はどれも旬ではないのが残念なところ。

今食べられておいしいものは・・・。
更に調べていくと、駿河湾で捕れる深海魚に目が止まりました。
アカザエビも深海魚だよな。
高足ガニも金目鯛も・・・、 これはいけるかも。
しかも深海は水温の変化がほとんどないので、旬がないとか。
おまけに西伊豆にある戸田港では手軽な値段で深海魚を食べれる店があるようです。
よしっ、決まったぞ。次の目的地は西伊豆の戸田港だ。
そして深海魚を食べるといったグルメなツーリングにするぞ。

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計画を立てるのに店のサイトを見てみると、深海魚は5月中旬から産卵期になるので、その前後から禁漁期間に入って店で出せなくなってしまうようでした。
食べに行くなら連休前にしなければ。
そうだ。例年4月のみどりの日に友人達と伊豆方面へツーリングに出かけているので、それにあわせて西伊豆に行ってみよう。
今年は参加希望者が少ないので個人的にルートを変えても文句は出ないだろうし、深海魚を食べに行くといった変わった目的があるなら他のメンバーも喜ぶに違いない。

という事で、いつもの29日のみどりの日に合わせて・・・。
あれ?いつの間にか昭和の日になっている!ちょっとびっくり・・・。
と、それはさておき、29日の祝日に企画するものの、ぜひ行きたいという後輩の都合が合わなく、その前の27日の日曜日に深海魚ツーリングを開催することにしました。
今回も名古屋からもミステリーツーリングに続いて一人仲間が参戦する事となりました。
かなり暇をもて余しているというか、どうやら5月1日からガソリンの暫定税率が元に戻るのでそれまでにツーリングを沢山しておくんだと張り切っているようでした。

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さて、当日のこと。名古屋から来る仲間の目的は別にあって、どうやら最近話題の御殿場にある巨大なアウトレットに行きたいというのが本音のようでした。
アウトレットか・・・、話題になっているので行ってみたい気もするけど、わざわざ一年で一番混んでいる時期に行かなくてもいいよな。
そのうち話題性がなくなり混雑も下火になるだろうし、 すいている時期に行けばゆっくりと楽しめるはず。
ということで、昼頃に御殿場付近で集合という事にして観光しながら沼津に向かう事にしました。

御殿場までの道中で目的地に選んだのは天狗寺として有名な大雄山最乗寺。
曹洞宗の古刹です。
前々から訪れたいと思っていたのですが、伊豆へのツーリングはいつもは海沿いを通っていくので、どん詰まりの山奥にあるこの古刹へはなかなか行く機会がありませんでした。
今回は山沿いを通って行くのでルート的にもピッタリでした。

~~~ §2、天狗寺、大雄山最乗寺 ~~~

当日の朝、起きてみると、なんと外はどんよりとした曇り空。
いかにも雨が降ってきそうな感じ・・・。
でも天気予報では昼から晴れるということなので、雨に降られたとしても朝だけだな。
集合は大井松田インターを出てすぐのコンビニ。
急な雨などで雨宿りしなければならなかったり、渋滞が起きたりするかもしれない。
遅れては・・・と念のためにちょっと早めに出発したら、思いっきり早く待ち合わせ場所に着いてしまいました。

ちょっと早すぎたな・・・。
途中でポツポツと降ってきた雨も上がったし、近くに何かないかと地図を見ると、二宮尊徳記念館というものを発見。
そういえばこの辺の郷土の人だったけ。
暇つぶしにちょっと行ってみるか。
コンビニの駐車場にいるのも退屈だし。

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尊徳の生家の写真
尊徳の生家
二宮尊徳の像の写真
二宮尊徳の像

訪れてみると、当然朝早いので記念館は閉まっていましたが、二宮尊徳生誕の家は見学することが出来ました。
といってもごく普通の古民家。
いや昔だったら立派な家になるのかな。
特に何があるわけでもないので、ふむふむといった感じで一回りしました。

ここには二宮尊徳の像が置いてあるのですが、なんとおっさんです。
薪を担いでいません。
本も読んでいません。
本を読みながら薪を担いでいる少年の姿ばかり見てきたのでちょっと新鮮でした。
当然活躍したのは晩年のことなので、郷土の人となっているここではおっさんなんだな・・・。
ちょっと違和感を感じながら写真を撮り、約束の時間が迫っているので、集合場所に戻りました。

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遅い・・・・!まだかよ。
集合場所で待つものの、10分以上経っても来ないし、メールを入れても連絡がこない。
何分ぐらい遅れるとか連絡してくれれば待つ気にもなるけど、いつまで待たなければわからないとイライラしてくるというものです。
先に行くか・・・。無駄に待つのが嫌いな私なのです。

大雄山への道の写真
大雄山への道

バイクにまたがり出発。
大雄山方面に進んで行き、駅を越えると、細い山道となりました。
この道の脇には庚申塔やら石の案内板が置かれていたり、巨木も多くあります。
道沿いの民家も古風なつくりのものが多く、古道の雰囲気満点でした。
これはいい。とってもいい。
雰囲気のいい場所で停まり、写真を撮りつつ進んで行きました。
信仰の地への参道は趣があって好きなのです。

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大雄山の仁王門の写真
仁王門

ちょうど仁王門に到着したときに後輩から電話がかかってきました。
「集合場所ってどこですか?」
って、遅い!
連絡がなかったから先に行ってしまったわい。
そのまま進んで大雄山に来るように伝えました。
そして仁王門を見学し、更に先へ進んでいきました。

仁王門からは今まで道の両脇に並んでいた民家がなくなり、代わりにうっそうとした杉林が続くようになりました。
なんか聖域に踏み込んでしまった感じ。
特に靄がかかってきたので、なんていうか山に吸い込まれていく感じがしました。

こういった人里離れた神秘的な雰囲気だと、山伏に天狗に鬼に物の怪にオウム(ナウシカに出てくるやつ)に何でも出てらっしゃといった感じです。
なかなか雰囲気満点でいいのですが、バイクだと路面が濡れて滑りやすくてあまり神秘的な雰囲気に浸ってばかりもいられませんでした。

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二十二丁目茶屋付近の写真
二十二丁目茶屋付近
杉の木に囲まれた参道の写真
杉の木に囲まれた参道

ここからしばらくは杉林が続き、二十二丁目茶屋付近に到着すると、お堂とお土産屋が数件並んでいて観光バスが何台も停まっていました。
一般車の駐車場はもう少し上にあるようですが、ここで一旦バイクを停めました。
この付近の雰囲気は抜群だったので、歩きたくなったからです。
後輩が来た時にわかるように目立つ場所にバイクを停めておき、付近の散策を始めました。

ここからは団体客や路線バスできた人たちの参道が始まります。
さすがに休日とあってぞろぞろと観光客が参道の階段を登ったり、下ったりしていました。
でも中高年のおじさんやおばさんばかり。
いや、別にいいんだけど・・・若い人がいないのがちょっと寂しい。

参道の両脇にそびえるようにして並んでいる杉はよく観察すると手入れが行き届いていて、立派なものばかりでした。
靄が濃いので上を見上げるとかなり神秘的な光景です。
これぞ神々の森ってな雰囲気だな。
ほんとうに素晴らしい雰囲気だ。
朝は雨が降っていて何だかなと思っていたけど、むしろいい天気の時に訪れたようです。

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しばらくパシャパシャと写真を撮っていたら、
ようやく後輩が「すいません。遅くなってしまって・・・。」と、やってきました。
「おう、きたか。」
先輩なのでここは寛容なところを。
といいながら小言を言って今度自分が遅れたらみっともないので言えないのです・・・。

「なんか凄いところですね。」という後輩と一緒にバイクのところへ行き、奥の駐車場まで移動しました。
これがビックリ。
山奥なのにめちゃくちゃ駐車場が広い。
よほど多くの人が訪れるんだろうな。
変なところで感動してしまいました。

なるべく参道に近いところに停めて、本殿の方へ登っていきました。
参道を登っていくと、どんどん靄が濃くなっていきました。
足元も悪く、濡れて滑りやすいので要注意。
写真を撮ることばかりに気を取られていると、すってんころりんてな事になりそうです。

本堂の隣にある書院の写真
本堂の隣にある書院

少し登ると、靄の中から門が現れました。
それをくぐると、本堂や書院などの重要な建物がある境内に入りました。
それにしても靄が凄い。
目の前にある巨大な建物が霞んでよく見えないほどです。
でもこれはこれで山岳信仰的な雰囲気があっていいかも。
霧の中に佇む聖なる巨大建造物。
う~ん、いい。

それにしても建物も大きくて凄いけど、それ以上に石垣が凄い。
まるでちょっとした城みたいです。
昔はやっぱり竹やりなんかもって、治外法権だ!自治権拡大!なんて叫んでお侍さん・・・この辺りは北条氏かな・・・と戦っていたのかな?
そんな事を連想してしまうほど立派な石垣でした。

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大雄山の鐘楼の写真
鐘楼
大雄山の結界門の写真
結界門

本堂を過ぎると色々と面白い建物が続きました。
特に目をひいたのが彫刻付きの鐘楼。
鐘自体は普通っぽいけど、周りの柱が凄いのです。
柱には彫刻がぎっしりと刻まれて重厚感が半端ない。
こういうのはなかなか珍しいかも。
その奥には何かよく分からない軍人関係の碑が聳え立っていたり、多宝塔の八角堂、不動堂、洗心の滝と色々ありました。

そしてこれらを過ぎると橋が架かっていて、その先にいかつい門が構えていまました。
その門の横にはなんと天狗が門番のように立っていました。
その容姿はなかなか眼光が鋭く、門を通る人をにらみつけるような感じです。
この門は結界門というのか。
ということは、ここから先が聖域というか、神域となるのか。

やっぱり結界と名がついていることは・・・あれか。
心のやましい人間はこの門でバリアパワーにはじかれたて入れないんだろうな。
それとも天狗の像が動き出したり、目から光線がでて、不届きものをバヒューンと・・・。
お~こわ~、おいらは大丈夫だとしても遅刻した後輩は・・・。
ってSFの見すぎ。目の前の騒々しいおばさんも無事に通ったのだから大丈夫。
って、まったく失礼な話です。

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結界門を通り過ぎると、目の前には溶岩が山のようになったものがありました。
都内で見かける人工富士山みたい。
なんでここにあるのだろう。
ここは充分山なのに・・・そう考えるとちょっと不思議に思えてしまいます。
そしてその先には階段があり、上を見上げると・・・長い階段が続いていました。

やっぱりこうなるのね。
いつもの事ながら私のツーリングはよく歩く。
慣れれば普通なんだけども、普段歩かないようなツーリングをしている後輩にしてみれば、今日もこのパターンですか・・・と不平たらたら。
聞こえない振りをしておこう・・・。うん。

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巨大下駄と御真殿の写真
巨大下駄と御真殿
奉納された下駄の数々の写真
奉納された下駄の数々

階段を登りきると御真殿がありました。
靄の中から現れたその姿はなかなか立派なもの。
そしてその横に目をやると・・・あった!下駄が。
そう奉納された大量の下駄が建物の脇に並べられていました。
ある意味これがこの寺の名物なのです。
ひときわ大きなものは人の背丈の高さがありました。
これを履くって・・・ガンダム級の大きさの天狗か?
う~ん、ありえない。

それ以外はそこまで大きくないけど、普通の下駄の5、6倍の大きさのものが多いようでした。
天狗って大きかったのかな。
ほとんどの下駄が金属で出来ている事は、脚力も相当のものに違いありません。
一度会ってみたい・・・。
って・・・、伝説上の存在なので、本当のところはどうだったのでしょうか。

そんなことはさておいて、多くの下駄が並べられているものの、古いものはさびさび状態。
やっぱり錆び難く、持ち運びに軽いアルミとかが今時の流行のようです。
それでもやっぱり履いたら重そうだ。
鉄下駄で特訓。階段十往復だ~。
って、何かのスポ根アニメに出てきたようなネタですが、アルミでさえ実際に持ち上がるかどうか。
仮に天狗のように凄まじい脚力を持っていた人がいても石段の方がボロボロになってしまう事でしょう。
やっぱり鉄下駄での修行は禁止になっているのかな・・・。

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大雄山の御真殿の写真
御真殿

御真殿の中にも入ってみました。
中には木造の大きな天狗がでんと安置されていました。
なかなか美術ポイントが高そうな代物です。
奥のほうでは祈祷してもらっている人もいるし、次を待っている人もいます。
ここはちゃんとした信仰の場所なんだ。
奉納された下駄の数々にも納得。
迷惑にならないようにさっと鑑賞をして静かに堂から出ました。

天狗像と天国への階段の写真
天狗像と天国への階段

御真殿からは奥の院へ道が続いていました。
その道を進んでいくと、げっ、げっげげ、の鬼太郎・・・じゃなくて、とんでなく長い階段が目の前に現れ、思わずうめいてしまいました。
これはヤバイだろう。
まっすぐ、天にも続くと思われるような階段。
一体何段あるのだろうか。ちょっと目眩が・・・。

登りたくない・・・けど、ここまで来たならやっぱり登っておきたいよな。
行かなければ後で後悔しそうだし・・・。
いや、行っても後悔したりして・・・。
まあせっかく来たことだし、まだ午前中だし・・・、頑張って進むか。
それにしても手すりが真っ赤なところが天狗寺らしいところかも。

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大雄山の奥の院の写真
奥の院

なんとか苦労して階段を登りきると、そこにあったのは簡素な奥の院と呼ばれる建物。
・・・正直、頑張って階段を上ってきたのだからもう少し・・・。
って、何を期待しているのだろうか。

堂の中に入ってみましたが、そこには十一面観音が安置されていました。
うっ、これだけ・・・。いやいや、ありがたい仏像様なのです。
苦労した割には報われないなんて心の中で思うだけにしておかないと。
って、仏様って心の中も見透かすことができるんだっけな。
いかんいかん拝んでおかないと下りの階段で踏み外すかもしれない・・・。
後輩と一緒によく拝んでおきました。

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奥の院を参拝したら目的は達成。
この先には何もないので戻るとするか。
来た道を戻っていきました。

下っているとあれよあれよという間に靄が薄くなっていき、視界が良くなっていました。
そして本堂に戻ると、もうすっかりと霧が晴れて普通の状態。
これで写真が撮りやすくなったと、改めてパシャパシャと写真を撮りましたが、なんかいまいち。
さっきの方が良かったな。雰囲気があって。
やはり靄っているほうがここの雰囲気にはぴったりな感じがします。

それにしても面白かったな。この寺は。
なんだか色んなものがあり、靄っていたせいで雰囲気も満点だったし、寺のテーマパークを一回りしたといった感じでした。
あまり興味のなかった後輩もそれなりに満足して大雄山を後にしました。

~~~ §3、酒水の滝と金時公園 ~~~

大雄山からは国道246号方面に北上しました。
信号待ちをしている時、後輩が「バイクを直したいのでコンビニに寄って下さい。」と言ってきました。
なんのこっちゃ。
次にあったコンビニで停まると、彼はおもむろに車載工具を取り出してフロントのブレーキキャリパーのネジを締めていました。
ん、なんだ。ブレーキが取れかけていたのね。
って、おい!
危ないではないか。死ぬぞ。

よくよく話を聞くと、先週に友人とツーリングに行ったときからなんか変な音がしていたとか。
「これで解決しました。」って平然と言われても、フロントブレーキが峠を走行中に外れたら、最近流行の硫化水素よりも確実じゃないか。
路面が濡れていたから大雄山の下り坂はゆっくり走ったけど、晴れて飛ばしていたら大惨事になっていたかもしれんぞ。
「もっと早く気がつけよ!命に関わるんだぞ。」と説教開始。
まったくなんちゅう神経をしているんだ・・・。

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酒水の滝の写真
酒水の滝
(橋の奥に見えるやつ)

気を取り直して246号との合流付近にある酒水の滝へ立ち寄りました。
日本の滝100選にも選ばれるぐらいの滝ですが、何より酔っ払いそうな名前に惹かれます。
きっとアルコールを含んだ水がどばどばと流れているような滝に違いない。
マイナスイオンの代わりにアルコールを浴びてリフレッシュってなもんかな。
そして飲酒をしていないのに検問でひっかかって免停。
いや最近では厳しくなったので一発で取り消しとなるのか。
いや、そ、それは勘弁だ。
近づかないようにしなければ・・・。

名水 酒水の滝の写真
名水 酒水の滝

って、そんなことは昔話の中だけで、実際は普通の滝のようでした。
あいまいな表現になっているのは工事中らしくて、近づけなかったからです。
滝のそばにはこれまた日本の名水100選に選ばれている酒水の滝がありました。
こちらは飲むことができ、飲んでみると、なんか甘い感じがしました。
味覚がおかしくなったのかな。それともこういうものなのか。
よくわからないけど甘い水って・・・毎日飲むには後味がちょっとくどく感じるかも。

駐車場に戻る途中で後輩は道の脇にある無人青空商店で朝茹で筍の子を買っていました。
この辺りで育ったものなら、さっきの水をたっぷり吸収しているはずなので、結構甘みのある味なかもしれません。
でも家に帰る頃には朝茹での新鮮さがなくなって、灰汁の強い味になっているような・・・まあいいか。

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金時公園のまさかりの写真
金時公園のまさかり

ここからは国道246号に出て西進。
そしてフジスピードウェイがある小山町でまたもや寄り道。
小山町といえば金太郎の里として有名です。
その代表的な場所である金時公園を訪れてみました。

正面の山肌にはでっかい金太郎の絵が描かれた看板があり、金太郎にちなんだ大まさかりのオブジェがおいてあり、金太郎一色の公園です。
また園内には子供の日を控えてか、多くの鯉のぼりがつるされていて、土俵らしきものもデンと作られていました。
きっと子供の日にでも金太郎にちなんでちびっ子相撲大会でも行われるのでしょう。
或いは物語になぞって大人が熊に仮装して出てきたりするのかな。
色んな事が想像できました。

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金時神社の写真
金時神社

この公園の一番奥には金太郎のシンボルである金時神社があり、豊漁祈願なのか、金太郎が大きな魚を捕まえている絵が描かれた布がかけられていました。
金太郎海に行くといったところでしょうか。
なんか桃太郎みたい・・・。
ちょっと様になっていないような気もしましたが、それが逆にほほえましかったりもします。

なぜここが金太郎の里なのか。
それは金太郎のモデルになった坂田金時がここで生まれたからで、ちょうどこの金時神社がある場所に坂田金時が育った家があったといわれています。

~~~ §4、戸田港と深海魚 ~~~

ここからは更に西進して、ちょっと先にある道の駅で一休み。
ここでようやく名古屋の仲間と連絡がつき、まだもうちょっといたいかな~と言うのをせかして、沼津で合流することにしました。
そして沼津ICの近くで無事に合流。
ここからはバイパスなどを利用して一気に戸田へ向かい、すぐにお目当ての深海魚が食べられるという魚重食堂へ入りました。

名が知れた店なので混んでいるかなと思ったのですが、さすがにもう2時前なので、店内はすいていました。
さて何を食べよう。腹が減りすぎ。
お腹のすき具合から天丼の重い感じもいいけど、やはりここは純粋に深海魚を味わいたいから刺身定食の方かな。
本日の深海魚刺身定食(1500円)は「ごそ(ヒウチダイ)」と「めぎす(沖ギス)」。
よしっ、これにしよう。

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魚重食堂の深海魚刺身定食の写真
魚重食堂の深海魚刺身定食

頼んでからそんなに待つことなく、定食がやってきました。
刺身皿にはごそ(ヒウチダイ)の姿造りが載っていましたが、よく見るとなんか水分が飛んでげっそりとした姿になっていました。
深海魚は水が抜けやすい体質なのかな。
浸透率がどうたらこうたらとか。
それにしても 哀れな姿になってしまって・・・。

いや、これは時間が経ちすぎているのではないだろうか。
深海魚が皿に載っているというのがここの売りだったりするようだけど、活きのいい姿ならともかく、これでは逆に食欲が・・・。
裏側を見ると汚い輪切りの大根で固定されていました。
君は一体今日何回食卓に上がったのかい?と尋ねみましたが、返事はありませんでした。

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味の方はヒウチダイは金目鯛に近い種類の魚なので期待して食べたのですが、いまいちぼやけた味。
鯛自体淡白な感じなので、まあこれはしょうがないかな。
沖キスはよくあるような味といった感じ。
しかもうろこがちゃんと取れていなかったりして・・・・。
イカは普通でした。

期待が大きかっただけに失望もでかいといった感じ。
期待していたほどおいしくないな。
普通の店で刺身定食を食べたほうがよかったかも。
いや高かった分は話題性や話のネタ分なんだ。
大体おいしければメジャーな食材になっているだろうし。

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魚重食堂の深海魚天丼の写真
魚重食堂の深海魚天丼

が、深海魚天丼を頼んだ後輩は一人美味しいとはしゃいでいました。。。
なんだと。そっちにすればよかったのか。
一口もらってみるとうまい。
淡白な身が天ぷらによく合っているではないか。
揚げ方もそんなに悪くないし、これはいいかも。

と、一口もらった時は思ったものの、後輩がもう少しで完食というところで、「食べませんか?」と天ぷらをくれました。
「おっ、いいのか。」遅刻したことの償いかなと思ったら、
「飽きてしまいました・・・。」との事。
深海魚が沢山乗っていて見栄えのいい天丼でしたが、実際はどれも似たような味なのです。
言うならキスだけの天丼といったところ。
せめてシソとか海苔とかの天ぷらを載せた方がいいような・・・と思ってしまいました。

全体的な感想としては、深海魚に対しての情熱は感じるものの、料理に対する情熱がいまいちかなといった感想でした。
接客もあまりよくなかったし、 次回は・・・残念ながらないだろうな。
でもいい話のネタやツーリングの目的地にはなりました。

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戸田港の写真
戸田港
ディアナ号のいかりの写真
ディアナ号のいかり

戸田といえば、天橋立のような砂州によって囲まれた湾があり、その湾から富士山が見える風光明媚な土地です。
残念ながら頭上は晴れているものの、富士山方面は雲が多く、富士山の姿を見ることができませんでした。
ただ素朴というか、澄んだ感じの戸田湾の風景は心に響く何かがあるような気がします。

砂州によって守られている湾内は穏やかで、古くから造船が行われてきた事でも知られています。
そのきっかけとなったのはロシア軍艦ディアナ号の沈没で、その艦長や乗組員のロシア人が船の修理のためにここに長く滞在し、ヨーロッパの船の技術を伝えた事です。
その経緯や造船技術、ロシア軍艦ディアナ号艦長プチャーチンの遺品や代船建造の記録が展示されているのが市立造船郷土資料博物館で、砂州部分の先端付近にあります。
それに付随して深海に生息する深海魚を300種、1000点展示している深海生物館もあるようなので、食事で満足できなかった分、行ってみる事にしました。

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砂州部分を走ると砂浜と駐車場が続いていました。
海の透明度が高そうだし、夏にはどっと観光客が訪れてとても恐ろしいことになっていそうな感じです。
その先端部分に博物館があり、料金の300円を払って入場しました。

展示してあった深海魚の写真
展示してあった深海魚

するとボランティアのおじさんが「案内しようか」と話しかけてきました。
なんか面倒臭そうな感じがしたので、断ろうかと思ったのですが、このおじさんの退屈でたまらないんだ~!といったオーラに負けて、気のない返事で「お願いします」と頼んでしまいました。
これが不幸の始まりでした。

なんと話が長い!
簡単でいいよ。手短にお願い。
そんなに興味があるわけではないんだから。
目や態度で訴えても自分の世界に入ってしまったようで、延々と説明が続いていきました。
う~、たまらない。頼むんじゃなかった。
おかげで小さな博物館だというのにとんでもなく見学に時間がかかってしまいました。
いや~疲れた。人の話を聞くのも疲れるものなんだな。
博物館を出ると、ボランティアを頼んだのに我々がボランティアをした気分でした・・・。

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戸田港での写真
戸田港で

そういえば今回のツーリングの集合写真を撮っていなかった。
戸田港の漁港へ戻り、記念撮影。
大分日が傾いてきたな。
さあどうしよう。次の目的地へ行く?
名古屋の仲間は修善寺のすぐそばを通るのを知り、
「行った事がないので是非行ってみたい。」と提案してきました。
ではその前に修善寺へ寄るか。

修善寺温泉の写真
修善寺温泉

山を越えて修善寺へ向かいました。
そして寺や温泉街を歩きました。
日曜日の ちょっと遅い時間の到着だったせいかもしれないけど、なんかここは年を追うごとに目に見えて寂れていくような気がします。
せっかく寺も新しくしたんだからもっとと思うんだけど・・・宿泊客が来ないのかな。
とりあえず修善寺をお参りして、例のごとく足湯で一休み。

川辺にある足湯だけは人気があるようで、ここだけは多くの人が訪れて足を浸していました。
ただ、汚いブーツを履いたバイク乗りが足をつけた時点で、足湯の水質が一気に悪くなったような気がするのは私だけだろうか。
いや、その場で足を浸けていた人みんなが思った事に違いない・・・。

~~~ §5、富士宮やきそばを求めて ~~~

修善寺からは一気に富士宮へ。
東京に戻る我々からしてみるとかなり遠回りとなってしまいますが・・・。
いや反対方向になってしまいますが、せっかく名古屋の仲間がこっちへ来てくれたのだから少し付き合おうといったといった気持ちと、前々から富士宮で富士宮焼きそばを食べたいといった願望もあって、わざわざ富士宮に向かいました。

とはいうものの、思ったよりも距離がありました。
こんなに距離があるのならやめておけば・・・、と途中で思ったのですが、途中で思ってもしょうがないのです。
初めから計画的に考えないとだめだな・・・。
こんな事なら 沼津で手間とガソリン代や高速料金分を含めて豪勢においしいものを食べていたほうが良かったかも・・・。
そんなことを考えながら走り続けました。

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ペースを上げ、休憩なしで一気に富士宮へやってきたものの、到着してみるともう7時半でした。
なんか妙に町が暗く感じる・・・。
とりあえず焼きそばを食べよう。
幾つか出発前に有名店をピックアップしておいたものの、この時間に開いている店は一軒しかなく、その店に迷いながら行ってみたものの、本日休業の札が・・・。
これは参った。
富士宮ではやきそばは健全な青少年の食べ物なのか・・・。

でもまあ、どこかの店に入ればいいや。
そう思い商店街を訪れて愕然としてしまいました。
店が全部閉まってる・・・。
どうしよう。何処に行けば食べられるのだ。
せっかくここまで来たというのに・・・・。
と苦労して探し回り、ようやく一軒見つけました。

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市内をバイクで徘徊し、見つけたのが、一見居酒屋っぽい富士巻食堂。
富士宮焼きそばの幟が立っているので焼きそばは食べられそうだけど、味はどうなのだろう。
ちょっと心配しながらの入店となりました。

店内はやっぱり居酒屋っぽいけど、食堂っぽい感じもあり、メニューにちゃんと富士宮やきそばがあるのを確認し、大盛で注文しました。

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富士巻食堂の富士宮焼きそばの写真
富士巻食堂の富士宮焼きそば

三人分まとめて作ったようでちょっと時間がかかって注文の品がやってきました。
そこそこ値段が高かった分、キャベツに豚肉に結構具沢山なやきそばといったのが第一印象です。

富士宮やきそばの特徴はラードを使って炒めるのと、ちょっと太目の麺でもちっとしていること。
ここのやきそばは麺は太くないものの、もちっとした感触があり、また味もラードを使っているので香ばしいというか、コクがあるというか、なかなか美味しい焼きそばでした。
やはり関東のソース焼きそばとはぜんぜん違うし、お祭りの屋台などの焼きそばとは比べ物にならないレベル。

ただ他の富士宮やきそばを食べていないので、富士宮やきそばとしてどうなのだろう。
その辺は疑問ですが、あまり期待せずに注文したので満足感はありました。
やはり焼きそばの町というだけあるな。
次はもっと早い時間に訪れてやきそばの食べ歩きをしてみたい。

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食後は直ちに解散。
名古屋の仲間は東名で西進。後輩は河口湖へ抜けて中央道。私は・・・どうしよう。
地図で見る限り、一度富士市に下りて東名に乗るよりは、国道469号と富士スカイラインと二つの道が富士山を横切って御殿場方面に抜けています。
こっちの方が最短コースになるのかな。
信号もないし、スイッと御殿場に行けるなら高速代にガソリン代と浮くぞ。
これは名案だ。

という事で、富士スカイラインを通って御殿場に抜けて東名で帰ろうと決めて出発したのですが、走り出してから重要な事に気がついてしまいました。
富士スカイラインって・・・、スカイラインと名がつくことは山の上を走るの?
等高線の表示のない地図を見てルートを決めたのが失敗。
どんどんと道が登っていき、気温もぐ~んと下がってきました。
寒いぞ。防寒着持ってくればよかった・・・。

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おまけに道が真っ暗で、対向車がぜんぜん来ないもんだから、かなり不安・・・。
もし事故ったら翌朝まで誰も助けてくれないとか・・・。
嫌な事が頭を過ぎりながら走り続けていくと、草むらからにょきっと突き出る顔が・・・。
なんだ!!!!!!
追いはぎ、お化け・・・、いや、鹿でした。
首だけ出してこっち見るなよ。怖いんだから。
目が光ってるし、もうやだ~~~。
そういえばサファリパークってのもこの辺にあるんだっけ。
トラとか出てこないよな・・・。

対向車の来ない真っ暗の道を 時々鹿や猿と遭遇しながら走り続けました。
そして顔が引きつる思いをして御殿場に到着。
なんと恐ろしい道だ。夜の富士スカイラインは・・・。
夏とかになったら虫や爬虫類も出てきそう。
二度と暗くなってバイクで通りたくない。
翌日、あまりの寒さに体が冷えてしまったようで、鼻かぜを引いてしまいました。

天狗と深海魚ツーリング  ー 完 ー

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<国内の旅やバイクツーリング日記 天狗と深海魚ツーリング 2008年5月初稿 - 2015年10月改訂>